子ども主体の保育をさらにすすめて行くうえで、園庭環境を変えていこうと1年をかけて園内研修を行ってまいりましたが、なかなかまとまらなかったそうです。
そこで、ご依頼を頂き、ワークショップ形式での「園庭リノベーション研修」を通じて職員の皆さんの今の想いや園が目指す園庭での子どもの遊びの姿を再確認し、職員みなさんの合意形成に基づいて園庭をリノベーションしていきました。

まず、最初に今の園庭の環境と子どもたちの姿を写真や動画に納め、それを先生方と一緒に検証しながら、そこで感じたいくつかの「小さな違和感」についてお伝えし、それとともに先生方が今感じている課題や、意識などをアンケート形式でお伺いしました。

アンケートはワークショップの限られた時間の中で、先生方皆さんからお話を細かくお伺いすることは難しいことと、より問題提起がしやすいように無記名で行いました。

そのアンケートから導き出された課題や意見を元に、園が目指す保育において、「園庭でどんな子どもの姿」を求めるかを思い描きながら、「必要な環境」「必要ではない環境」について話し合い、整理をしていきました。

すでに樹木医さんに危険性を指摘されていた桜の伐採、安全性や管理面に問題があった遊具などの撤去や移設から検討を始めました。次にそこに付加する新たな園庭要素についてはそれらを移設撤去した後を想定した園庭平面図に先生方それぞれが想いをこめた園庭を描いて頂きました。

そのご提案を踏まえ、出来る限り先生方の想いを反映し、それに技術的な課題やコスト面も検討した上で、皆さんが納得できる(合意)範囲の施工プランを製作し、保育をしながら段階的に施工を進めました。

プラン作成に際して最も注意したことは「作り過ぎない」ことでした。

子どもたちが想像力を発揮し、環境に働きかけ拡張できる余白を持たせながら、必要であれば子どもたちの姿を見ながら足していくことで、「子どもたちの育ち」とともに、「園庭も育つ」そんなイメージで一期工事を終えました。

植栽も育っていけばそれだけでも園庭の印象もどんどん変わっていくでしょうし、樹木を増やしたり、ハーブや草花を植えたり・・・・。

これからどんな園庭に育っていくか楽しみにしています。