なぜ、オリジナルのボルダリング遊具を?

「子どもたちの現代の身体的に着目し、その後の運動経験を豊かにする」ことを目指して遊具を作ろうと思い、さらに色々な人たちから学びながらどんな遊具が汎用性があり、本質的な身体課題を解決できるか考えていきました。その過程でヨーロッパのクラブチームのトレーニング拠点のどこにでもボルダリング・クライミング施設が気になり、まだスポーツクライミングという名称もなかった頃の日本のトップクライマーで世界のトップ10の選手しか参加できないイタリア・アルコ大会に日本人として初めて出場したHA氏が経営するボルダリング施設を訪ね、自分の想いを伝え、幼児期の子どもの発達に寄与する独自のボルダリング遊具の開発にご協力いただけることになりました。・・・・・

合意形成に基づく園庭リノベーション

子ども主体の保育をさらにすすめて行くうえで、園庭環境を変えていこうと1年をかけて園内研修を行ってまいりましたが、なかなかまとまらなかったそうです。
そこで、まず職員の皆さんの今の想いや園が目指す園庭での子どもの遊びの姿を再確認し、職員みんなの合意形成に基づいて段階的に園庭をリノベーションしていきました。

屋上園庭のリノベーション

都市部の駅前賃貸ビル内保育園の屋上園庭で、契約の更新に生じた様々な制約の中で、少しでも子どもたちの運動あそびを保障してあげたいという想いを受けて、制限される施工内容、ビルオーナーさん不動産会社のご意向、都市部特有の様々な規制を乗り越えて、オリジナルの複合遊具と屋上全体のゴムチップ舗装を行いました。

合意に基づいてつくる園庭(その1)

子どもたちがもっと主体的に遊べる園庭環境を作るにあたり、職員も参加し、学び、職員全体の合意形成に基づいて園庭改修のグランドデザインを作りたいというご要望から、半年かけて先生方とワークショップを行い、子どもたちが一番集中していた「砂場」の環境から変えることになりました。2つに分かれた砂場片方に「山砂」もうひとつは「荒木田土」を入れ、泥んこ遊びや泥団子ができるようにしました。井戸も作りたかったのですが、一期工事ではガチャポンの下にローリータンクを設置し、試験的に一日に使える水はローリータンク一杯という制限を設けて水道水を使っています。

合意に基づいてつくる園庭(その2)
- 園庭に緑と起伏を -

先生方と園庭改修の研修を行い、定めた方向性に向かって園庭を改修していく過程での2期工事です。園庭に植栽で四季折々の変化と子どもたちが様々な発見をしながら遊べる空間を作り、さらに未満児の子どもたちの身体的な発達を考え自然と動きたくなるゆるやかな連続する起伏と様々な感触を体験できるフワフワな黒土を整備しました。

乳児が遊びやすい環境に

乳児の安全を確保しながらできる限りのびのび外遊びをできるようにしたい。という願いから、乳児がつまづきやすかった大きな桜の根を隠すように砂場デッキをつくりました。
デッキを作ったあとも桜の衰退の状況を確認するため、分割式のベンチを桜の根元に作り、年に一回桜の状態を観察できるように工夫しています。

大きな桜がなくなった後に

園が開園したときには樹齢50年は越えていそうな立派な桜の大木が園庭木陰を作ってくれていました。しかし、しばらくすると桜の上部の大きな枝に腐食が見られ、根元に近いところにキノコが確認されるようになりました。すぐに樹木医の方に診断をしていただいたところ、かなり危険な状態ということがわかり、止む無く桜を伐採することになりました。復活の願いを込めてヒコバエを残し、そのヒコバエの根を守るようにデッキを製作し、二期工事で木製のヤグラにネット遊具、すべり台を取り付けた遊具を作りました。

マンション内の乳児園庭

マンションの地下駐車場上のコンクリートに囲まれた場所にあった保育園の乳児のための分園の園庭。コンクリートの園庭に先生方が色々工夫をして砂場を置いたり、安全対策をしていましたが、なかなか子どもたちを安全に思い切り遊ばせてあげることができませんでした。床に安全パッドを敷いた上にロングパールの人工芝を施工し、1歳さんでも上り下りしやすい段差のウッドデッキの中に砂場とシンボルツリーを植栽しました。

どろんこ遊びのためのデッキ

荒木田土での泥んこ遊びはその独特の感触も含めて特別なものがあります。
充分な量の荒木田土と水場がありながら、思うように子どもたちの遊びの様子から土を囲うようにデッキとテーブルを作り子どもたちが遊びやすい環境にしました。

遊びのマルシェ

都市部駅近の限られた園庭スペースで、園がコンセプトとする「子どもの日々の遊びや生活を社会とつなげる」場として作られた「遊びのマルシェ」子どもたちの子どもたちの見立て遊びが広がる環境と外に向けて開かれた空間を意識してデザインされています。
園舎に取り付けられた金具と柱の金具をつかってシェードやバナーを取り付けると縦長の狭い園庭が本格的な「マルシェ」の空間になります。
ここで、地域開放のイベントの際には子どもたちが日々の保育の中で製作した物を子どもたちが自分たちの言葉で説明しながら模擬販売をしたりします。