園庭での遊びにおいて、遊具は子どもの身体的な発達を促すためには必要な物でもありますが、一方で遊具があるから子どもの運動面や身体的な発達が保障されるわけでは決してありません。それは、園庭における子どもたちの遊びは遊具によって約束された運動効果よりももっと多様で、環境から触発されて子どもたちが表す行動やアイデアは大人の予想をはるかに超えた展開をみせるからです。

では、私たちは何を頼りに「子どもたちがより良く育つ園庭」を考えれば良いのか?と考えた時、その答えを導き出すためには子どもたちの姿を観察するしかないのではないかと考えています。

子どもの姿から紡ぐ環境

 保育と言う仕事を構造化してみると、「子ども」を中心に「時間」「空間」「コト」をデザインし、マネジメントするというとても高度でクリエイティブな仕事であることがわかります。ですから、「環境」を変えるということは「保育」を変えると同義と言っても過言ではありません。

だからこそ、園庭環境づくりを検討する際には、日々の保育においてどんな「子どもたちの姿」を大切にしたいかを園内で共有することが大切です。

園庭リノベーションの流れ

現状課題の把握

現状の環境を変える必要がある。と考えた場合、何が問題なのかを検証し、そこから改善すべき課題を抽出します。

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課題の共有と合意形成

課題の抽出はなるべく多くの意見を引き出す必要があります。それは環境についてどのような認識を各々の職員が持っているかを知り、その感覚の違いを認め合った上で、「園が目指す保育」に合った環境を合意形成に基づいてつくる必要があるからです。

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プランの検討と段階的施工

園庭環境をリノベーションをする際に、どうしても目の前に見えてる課題や、欲しい環境が増えていってしまう傾向にあります。目指す保育環境としてのグランドデザインは必要ですが、一気にすべてを実現しようとする必要はありません。むしろ、子どもたちの姿の変化をつぶさに観察しながら段階的に行った方が効果的なリノベーションを行える場合もあります。

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